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グラミー賞に呼ばれなかったLordeとアルバム“Melodrama”の魅力

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グラミー賞に呼ばれなかったLordeとアルバム“Melodrama”の魅力

 

グラミー前後からlogicの記事が伸びていて少しうれしい、ヤマノカホ(@kaho_yamano)です。ちなみに、SZAについては書こうと思ってるうちにグラミーにノミネートされて、受賞を逃していました。それでも、Black Pantherのサントラに参加しているなど活躍中ですね。

 そんなSZAについても書きたいんですが、今日はLordeとその2ndアルバム”Melodrama(メロドラマ)”について書いていきます。

※最初にグラミー賞について書くので、興味がない人は読み飛ばしてください。

 

 

 

波乱ばかりのグラミー賞

 

さて、毎度のことながらグラミー賞は話題になりますね。

去年(2017年)は、黒人差別で話題になっていました。なんといっても、最優秀レコード賞と最優秀アルバム賞をBeyoncéが逃したことは、怪奇現象といっても過言ではありません。結果、受賞したAdel(アデル)が泣きながらステージ上でトロフィーを真っ二つにしてBeyoncé(ビヨンセ)に片割れをあげる、という衝撃的な展開に発展しました。たしかに、Adelも良かったんですが、BeyoncéのLemonadeに勝るアルバムはないだろう、というのが一般人の総意でした。だって、JAY-Zの浮気問題を起点に黒人女性の人権について力強く主張した“コンシャス”なアルバムで、かつ映像とセットで一つの作品という大胆な構成だったわけで…。しかし、その空気感をものともせずに、審査員はあっさりとBを捨てたわけです。まあ、Chance The Rapperが最優秀新人賞を受賞したのは、何よりの救いだったんですが。

 

そして、今年。女性の受賞者が異常に少なく、グラミー財団会長のNiel Portnow(ニール・ポートナウ)が女性差別ともとれる発言をしたということで、話題になっています。

(以下、発言の引用です。例によって、わたしの意訳を含みます)

I think it has to begin with… women who have the creativity in their hearts and souls, who want to be musicians, who want to be engineers, producers, and want to be part of the industry on the executive level to step up. Because I think they would be welcome.

 

心や魂にクリエイティビティを持っている女性やミュージシャンになりたい女性、エンジニアやプロデューサー、業界の中で実行力のある立場で活躍したいと思っている女性は、向上することからはじめなければならない。そうなれば、彼女たちは歓迎されるだろう。

 

 

この発言のなかで、一番注目されている言葉が“step up”なんですが、要するに「女性はエンターテインメント業界の第一線で活躍するには、まだレベルが足りてない。もっと努力しれば、グラミー賞の主要部門でも女性の受賞者が増えるだろう。レベルが上がれば、我々も歓迎しますよ」という、ものすごく女性を見下した発言だったんですね。

 

実際に、今回のグラミーで主要部門を受賞した女性は、『モアナと伝説の海』のエンディング曲も手掛けた新人賞を獲得したAlessia Cara(アレッシア・カーラ)だけだったわけです。そして、Lorde(ロード)に至っては、アルバム「Melodrama」が最優秀アルバム賞にノミネートされていたにも関わらず、グラミー賞の会場に呼ばれないという事態に…

そして、今回の騒動ですが、最終的にNealが謝罪をするに至りました。

 

 

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Lordeとは

 

さて、そんなLordeがどんな人物なのかざっくりと書いていきます。

Lordeはニュージーランドのオークランド出身のアーティストです。そのため、デビューもニュージーランドがスタートでした。そんなLordeのニュージーランドでのデビューは、16歳のとき。大きな宣伝などの戦略はとられず、謎だらけの状態でした。また、ファーストシングル「Royals」(2013)はYoutubeにも動画が上がっていない状況でした。インターネットでの拡散が重要な戦略になる時代で、とても万全とはいえない状況ですよね。しかし、そんななかで「Royals」はシングルチャートの上位に入り込みます。

 

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そんなニュージーランドでの成功によって、Lordeはトップアーティストへの階段を駆け上がります。アメリカやイギリスなどのメジャーレーベルから多くのオファーを受けることになり、一気に世界中に広まっていきました。

いまの時代に似合わない流れで世界的なアーティストになったことは、Lordeの才能が本物だという最大の証拠です。

そんな大きな才能の背景には、母親の影響があるようです。Lordeの母親は有名な詩人のため、Lordeは幼少期から音楽だけでなく詩や文学の素養も身につけることになりました。そこで培われた言葉のセンスが、シンガーソングライターとして大きな武器になっています。

 

そして、グラミー賞の最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞、最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞にノミネートされ、最優秀楽曲賞と最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞を受賞しました。

 

また、2013年のタイムズ誌による「世界で最も影響力のある10代」やフォーブズの「世界を牽引する30歳以下のランキング30」にあげられています。

 

そんな華々しい経歴をたどって、2017年のグラミー賞にノミネートされました。

 

 

Lordeのアルバム|Melodrama

 

16歳で世界的なアーティストになったLordeが3年の時を経てリリースしたのが、アルバム“Melodrama”。20歳になったLordeの恋愛事情をもとに構成されたアルバムです。

 

2015年にLordeは5年も付き合っていた彼氏と別れてしまいました。「5年前は世界のあらゆるものが色鮮やかに見えていたのに」と思うほど、感情が深く落ち込みました。そして、世界をビビットに観られるようになるまで、18ヶ月もの時間が必要でした。

そして、そんな時間を過ごしたあとに作られたのが“Melodrama”です。そのため、とてもパーソナルなアルバムとなっています。

Lordeの1stアルバム“Pure Heroine”は‘we’や‘us’として作られたものでした。しかし、“Melodrama”は‘I’のアルバムだ、とLordeはいっています。そして自身の心の中へとフォーカスすることは、誠実なかたちで率直に表現するためには必要だったといいます。

そんな、自分自身の心を探したアルバムのテーマは「solitude(孤独)」。この孤独は、特別なものではなくて、ホームパーティのなか一人でいるときのようなものです。見知った人たちの中にいても、ふと寂しさを感じることってありますよね。それは、世界の空気に恐怖が浸透しているのも原因のひとつだと、Lordeは考えています。(テロとか、トランプとか。本当に、今のPOPSはトランプが生み出してるといっても過言じゃないと思います…)

そして、アルバム曲「Perfect Place」で“But when we’re dancing I’m alright.(でも踊ってるときは、大丈夫って思えるの)”と歌ってます。これ、パーティの様子なんですが、実際には“Party”=“Rush(急襲)”“Violence(暴力)”のことなんです。大きいこと(Rush & Violence)と小さいこと(Party)を対比しています。そして、“I hate the headlines and the weather,”とも歌っています。スマホを通して見るWEBの世界って、身近な一番小さい世界ですよね。こんなふうに、大きな世界のことを、小さな世界のことに落とし込んでいます。

そして、彼女はインタビューをこんなことを言っています。

‘If we just make our own little universe inside and no one looks at their phones, none of it’s really happening.’(私たちが心の中に小さな宇宙を持っていて、それが他の人のスマホからみることができないなら、それは起こってないのと一緒なのよね)

 

音についても少しだけ触れておきます。“Melodrama”は無駄を削ぎ落した音楽です。ピアノやドラムなどを使ったオーガニックなものになっています。すごいのは、ギターを使っていないことです。アルバム全体をとおして“Melodrama”というタイトルにぴったりなほど繊細で内面を浮き彫りにしたような音ばかりが続きます。

 

20歳のLordeが、3年前にはなかった寂しさをたずさえてるアルバム、“Melodrama”は本当に魅力的です。

Melodrama

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まとめ

 

まだ聴いていない人は、一度聴いてみてください。“Melodrama”は寒さの残る夜にぴったりのアルバムです。

 

さいごに、“Melodrama”に出てくる最後のラインを…

“What the fuck are perfect places anywhere?”